散文SSS&感想(10’05月号ネタバレ)

今月号ネタバレですよ〜。
 
 
 
SSS 戦い続けるということ
 
「君はまだ闘えるか?」
 
私の思い違いを、貴方は即座に糺す。
私に与えられた言葉は、私の身体を気遣うものではなく、私を一個の駒と見なす冷徹な軍人としての貴方の言葉。
ああ、そうだ、私はあなたの手駒。
常に貴方の意志を完遂する為に動く、最も手近な、最も信頼されるべき駒。
それが私。
 
「君はまだ闘えるか?」
 
どんな愛の言葉よりも、千金の価値を持つ私への信頼の言葉。
共に血の河を渡り、汚泥を啜る道を選んだ私にだけ与えられる言葉。
この身体が動かなくなるその時まで、私は貴方の手駒。
 
ここは敵地の最終ランク、プロモーションしたポーンはクィーンとなる。
さぁ、反撃はここから。
チェックメイトに向かおう。
返事はいつも一つ、貴方の望む言葉を。
 
「はい」
 
そうだ、我々はまだ闘える。
 ********
 うわ〜、先月までウダウダ言っててゴメンなさい。やっぱり鋼は、面白いよ〜。まさかお父様がクセルクセス人再生するとは思わなかったです。そう、ここで攻撃出来ない彼らだからこそ、人なんですよね。エドの攻撃がよく分からないのですが、プライドの賢者の石を破壊して核だけ残したってことですかね。
 そして遂に再会! しかも無糖! やはりロイアイはこうじゃなくっちゃ〜。万歳! 上司部下萌え。うわぁん、ストイックSS書きたい!
 そして最後まで変態なキンブリーにも萌え。ある意味一本筋の通った人でしたねぇ、2〜3本ネジは飛んでましたが。(笑)
 書きたい事あり過ぎるので、とりあえず今日はここまで。
 
 えーと、ちょっとロイアイ語り的な物を。
 最終決戦に入ってから、ずっと考えていたのですが、ロイアイの関係は、互いに守り守られる対等の関係でありつつも、ある種リザのわがままとロイの度量によって成り立っているのかなとも感じます。
 ふつうに考えて銃と焔の錬金術では、歩兵と戦車くらい戦力差があるわけです。対ラスト戦の時に、ロイはホムンクルスを倒すことは可能だけれど、リザがホムンクルスを倒すことはかなり難しいというのは証明されてますしね。
 だから、補いあえる部分もあるけれど、第百話のようにリザがロイのアキレス腱になるリスクだって同じくらいに高いわけですよ。それでも銃も効かない化け物との最終決戦の地に、彼らは共に踏み込む選択をした。それって、結構悲壮な覚悟だと思うんですよね。
 一緒に死ぬかもしれない、相手の死に様を見なければならないかもしれない、それでも相手を守りたい、それでも連れていく。共に生きたい、行きたい、逝きたい。どこまでも共にいくというその覚悟、それこそがロイアイの絆であるのだろうなと思うのです。ただの男女ではなく、イシュヴァールの人殺しの罪も、秘伝の傷も、すべて共に背負って生きてきた彼らだからこそ生まれた絆だと。
 だいたい、大事にして側に置いておきたいだけの女なら、あんな命懸ける場所に連れていかないでしょう。最後まで運命を共にする相手、己の半身と認めるからこそ、二人はあの地に共に乗り込んだんですから。
 だからこそ、あそこで「君はまだ闘えるか」という言葉が出るんじゃないかなと考えます。このBlogを開設した時からずっと『共闘する二人』を愛する私としましては、どんな甘い言葉より、信頼と二人が共にある意味を伝える言葉だと感じてしまいました。
 死地に自分の女を連れていく度量を持つ男、ロイ・マスタング。くぅ、かっこいい。(結局、そこか<自分)
 
補足:SSSはチェスの戦法に引っ掛けてあります。ポーンは前進しか出来ない駒なので、相手の陣地の一番奥まで行くと、最強のクィーンになれるのです。ロイがチェスやってたので。