2007-03-01から1ヶ月間の記事一覧

oversensing 後編

oversensing:【名】 過剰感知 * 押し当てられた唇は、冷たく乾いていた。 温々とベッドの中に暮らす私に外気の冷たさを思い知らせる口付けは長く、息苦しさを感じる程だった。 握られた手首に伝わる男の掌の温もりだけが火のように熱く、私に彼の二つ名を思…

oversensing 前編

oversensing:【名】 過剰感知 * あれから四日。 私は闇の中にいた。 ある事件の最中、化学薬品プラントの爆発に間近で巻き込まれ、大佐を庇ってガラス片と揮発性ガスを浴びてしまった。 怪我は大した事はなかったものの、ガスに目をやられ、私は目に包帯を巻…

07.冷笑

唇の端を歪めるその形 人はそれを笑いと呼ぶ * ここに来て、もう何日が経ったのだろう。もう、何人の人間を殺したことだろう。 私、リザ・ホークアイは自問した。 様々な感覚が徐々に鈍化し始めているのが、自分でもよく分かった。 実地訓練として参加したイ…