2007-07-01から1ヶ月間の記事一覧

Crimson

滴り落ちる、赤。 また、今月も私の身体が女を主張する。 そう言えば数日前から、そんな気配があるとは思っていたのだ。 鈍痛に蝕まれ、私は洗面台の戸棚から鎮痛剤を探し出し、規定量を服用する。 鎮痛剤が効くまでおおよそ30分、それまでの我慢だ。 そう自…

14.発熱【おまけ】

身体の奥に焔が点る 導火線は貴方の指 * まったく、残業とは『する』ものではなく、『させられる』ものだということを、あの男は分かっているのだろうか? 胸の内で悪態をつきながら、リザは夜道を歩いていた。 何が「絶対に残業は許さん」、だ。 オリヴィエ…

14.発熱

触れた指先の焔に私は焼き尽くされる 胸の奥底まで * 指が、絡んだ。 どちらから求めたのか、そんな事はどうでも良かった。 が、互いの指先が触れ合った時、一瞬ビクリとした相手が、控え目にその温もりを伝えてきた。 指の腹で爪の生え際をそろりと撫でてや…

08.足枷【04.At Central】

届かぬ想いを足枷に 我々は歩き続ける * 「中尉、この後少し付き合ってくれないか」 そう上官に言われ、リザは少し驚いた顔で振り向いた。 セントラルに来て数日。 何だかんだで休みも暫くは取れそうも無い激務が、東方から来た彼らを待っていた。 引っ越し…