2007-06-01から1ヶ月間の記事一覧

08.足枷【03.At EastCity】

あの人の足枷になるくらいなら 私は * ザァザァと激しい音をたてて雨が、蒸気機関車の汽笛をかき消す程に降り続く。 まだ人影も疎らな早朝のイーストシティ駅のターミナルで、リザは待ち人と巡り会った。 「いよう!リザちゃん、お出迎え感謝するぜ」 「ご無…

08.足枷【02.At Central】

君と言う名の枷は 私を現実に繋ぎ止める * 「出来るだけ早く帰ってくるつもりだけど、先に寝ててくれて構わないよ、グレイシア」 「いいのよ、ゆっくりして来て。マスタングさんと会うの、久しぶりなんでしょ?」 そう言って、甲斐甲斐しくヒューズの世話を…

08.足枷【01.In Ishval】

自由を奪う枷がある だからこそ私は強くなる * 空には満天の星が、血生臭い地上を見下ろしていた。 砂漠地帯であるイシュヴァールは、昼夜の温度差が激しい。 野営の焚き火の傍らで、兵士たちは温もりと暫しの休息を貪っていた。 ロイはその輪には加わらず、…